「求人を出しても日本人スタッフの応募が集まらない」「外国人材の受け入れに興味はあるが、何から手をつければいいのか分からない」。食品工場の採用担当者から、こうした声を聞く機会が増えています。
外国人材の受け入れを検討し始めると、「特定技能」「技能実習」といった在留資格の制度自体は調べれば情報が出てきます。しかし、実際に採用活動を進めようとすると、「そもそも候補者をどこで見つけるのか」「自社で全て対応できるのか、それとも誰かに任せるべきなのか」という、制度の説明だけでは分からない壁にぶつかります。
この記事では、食品工場が外国人材を採用する際の3つの主な方法(自社募集・技能実習生の受け入れ・外国人材派遣サービスの活用)を、それぞれのメリットと現実的なハードルの両面から比較します。読み終える頃には、自社の状況にどの方法が合っているのか、判断材料が揃うはずです。
食品工場の外国人材採用、まず何から始めればいいのか
外国人材の採用を検討する際、多くの工場担当者はまず「特定技能」や「技能実習」といった在留資格制度の勉強から始めます。もちろんそれも必要なステップですが、制度を理解することと、実際に自社で働いてくれる人材を見つけることは、まったく別の課題です。
「制度」を理解しても「採用」の壁は別にある
特定技能制度の対象業務や試験制度、在留資格申請の流れについては、食品工場の特定技能外国人材 受け入れ実践ガイドで詳しく解説していますので、制度そのものを詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。本記事では一歩手前の論点、つまり「制度を使ってどう採用活動を進めるか」という方法の選び方に絞って解説します。
採用の方法は大きく分けて、①自社で直接募集する、②技能実習生を監理団体経由で受け入れる、③外国人材派遣サービスを活用する、の3つがあります。それぞれ見ていきましょう。
方法①:自社で直接募集する
特定技能の候補者を、求人媒体や人材紹介会社を通じて自社で直接募集する方法です。国内在住の候補者(技能実習からの移行者や留学生など)を対象にすることが多く、採用後の雇用関係もシンプルです。
メリット
仲介事業者を挟まない分、中間コストを抑えられる可能性があります。また、面接から採用まで自社のペースで進められ、社風に合うかどうかをじっくり見極められる点も利点です。
現実的なハードル
最大の課題は「そもそも応募が集まりにくい」ことです。食品工場という業種、そして地方の求人であればなおのこと、外国人材向けの求人媒体だけでは母数を確保しづらいのが実情です。加えて、在留資格の該当性判断や必要書類の準備、支援計画の策定を自社の担当者が一から学びながら進めることになり、採用担当者の負担は小さくありません。
方法②:技能実習生を監理団体経由で受け入れる
技能実習制度を活用し、監理団体を通じて海外から技能実習生を受け入れる方法です。長年にわたり食品製造業でも広く使われてきた枠組みで、ノウハウを持つ監理団体も多く存在します。
メリット
監理団体が現地の送り出し機関と連携しているため、候補者の母数を自社でゼロから開拓する必要がありません。実習生の在留期間中は転籍が制限されるため、教育投資をした人材が短期間で離れてしまうリスクも比較的低く抑えられます。
現実的なハードル
技能実習制度は対象職種・作業が細かく定められており、任せられる業務の範囲に制約があります。また、監理団体ごとに対応の質やサポート体制に差があり、選定を誤ると生活支援やトラブル対応が手薄になることもあります。監理費は毎月発生するランニングコストである点も、事前に織り込んでおく必要があります。
方法③:外国人材派遣サービスを活用する
人材派遣・紹介の専門サービスに、候補者の紹介から在留資格の手続き、生活支援までを一括して依頼する方法です。自社募集や監理団体経由とは異なり、「採用活動そのもの」を専門家に任せられる点が最大の特徴です。
メリット
候補者の母数開拓・在留資格の判断・生活支援までを一貫して任せられるため、採用担当者が本来の業務と兼任しながら手探りで進める負担が大幅に減ります。特に食品工場に強いサービスであれば、温度管理や立ち仕事の多さといった現場特有の環境を理解した上で人材を提案してもらえるため、採用後のミスマッチも起きにくくなります。
向いている工場・向いていない工場
「初めて外国人材を受け入れる」「採用担当者が他業務と兼任で手が回らない」「過去に技能実習生を受け入れていたが特定技能への切り替えを検討している」といった工場には特に向いています。一方で、すでに社内に外国人材採用の専任チームとノウハウが確立している場合は、自社募集の方がコストを抑えられることもあります。

3つの方法を比較する
ここまで解説した3つの方法を、採用担当者が気にするポイントごとに整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | ①自社で直接募集 | ②技能実習生受け入れ | ③人材派遣サービス活用 |
|---|---|---|---|
| 候補者の見つけやすさ | 自社の求人発信力に依存 | 監理団体のネットワークに依存 | サービス側のネットワークを活用 |
| 任せられる業務範囲 | 在留資格に準ずる(比較的柔軟) | 職種・作業ごとに制約あり | 在留資格に準ずる(比較的柔軟) |
| 採用担当者の負担 | 大(手続き・支援を自社で学ぶ) | 中(監理団体が一部サポート) | 小(採用活動を一括委託できる) |
| 現場理解の期待値 | 自社次第 | 監理団体次第 | 食品工場に強いサービスなら高い |
| 向いている工場 | 採用ノウハウが社内にある | 長期育成を前提にできる | 初めての受け入れ・兼任担当者 |
なお、外国人材の受け入れは人手不足対策の選択肢の一つに過ぎません。設備投資による自動化・省人化とあわせて検討したい方は、食品工場の人手不足倒産を防ぐには|帝国データバンクのデータで見る実態と設備投資という選択肢もあわせてご覧ください。
食品工場に強いサービスを選ぶポイント
外国人材派遣サービスの活用を検討する場合、どのサービスを選ぶかによって成果は大きく変わります。特に食品工場ならではの事情を踏まえると、以下の2点は確認しておきたいポイントです。
現場理解の深さ
食品工場は温度管理・衛生管理・立ち仕事の多さなど、他業種とは異なる特有の労働環境があります。この現場感を理解しているサービスかどうかで、紹介される人材とのミスマッチの起きやすさが変わってきます。
対応できる在留資格・制度の幅
特定技能1号だけでなく、技能実習からの移行や、永住者・日本人の配偶者等といった身分に基づく在留資格まで、幅広い受け入れパターンに対応できるサービスであれば、自社の状況に合わせた柔軟な提案を受けやすくなります。


FMネットワーク・エンタープライズでは、食品機械エンジニアとして20年以上現場に携わってきた知見を活かし、食品工場に強い外国人材派遣サービスを提供しています。在留資格の選定から候補者のご紹介、生活支援、就労後の定着フォローまで一貫してサポートしており、食品工場はもちろん、その他の業種の人材確保についてもご相談いただけます。
まとめ
食品工場が外国人材を採用する方法には、自社で直接募集する、技能実習生を監理団体経由で受け入れる、外国人材派遣サービスを活用するという3つの選択肢があります。それぞれにメリットと現実的なハードルがあり、どれが正解というものではなく、自社の採用体制やリソースに合わせて選ぶことが重要です。
「初めての受け入れで何から手をつければいいか分からない」「採用担当者が他業務と兼任で手が回らない」という工場様は、専門サービスに相談することで、制度理解から現場定着までの負担を大きく減らせます。まずは現状のお悩みをお聞かせください。
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